MotionRec

人類が滅亡するとパズルゲームになる 📒難易度:楽しい(と思う)

MotionRec
Save 10% on MotionRec on Steam
MotionRec is a recording puzzle action game where you progress through stages by recording and playing back your own movements.

このゲームの解法が妙にしっくりくるのはなぜかとちょっと考えて、自分の頭の中の雑然としたプラットフォーマーの知識がきれいに整理されていく気持ちよさがあるからかもしれないと思った。


自分はアクションパズルを解くときにはまず、マップ上の要素を、最終的にたどり着くべき「ゴール」、ゴールへの道を開くのに必要な行動としての「鍵」、そうした行動を示唆する「ヒント」や「ガイド」に分けて考えている。名前は今適当に付けました。

このゲームでは録画した動きが全ての「鍵」となる。これによってマップ中の移動できる場所はすべて解法になり得るが、それを制限されることがそのまま「ガイド」になる。アクションパズルの必須要素である「移動」にだけ集中して考えればよく、そのおかげで問題中の要素がマップ上で圧縮されて最小限になっているように感じた。

この移動が、既存のシンプルなプラットフォーマーを分解して組みなおされた形で表現されることで、これまで意識せずに行っていた行動が知識として定着した感覚になる。

例えば、ジャンプで届かない崖上に辿り着くにはより低い足場を乗り継がなくてはいけない。あえて意識もしないような単純な動きだが、このゲームでは足場と崖がマップ上で遠くに配置されていて、それを、移動を録画することによって意識的に繋げる必要がある。

バラバラにされたプラットフォーマーのマップをクリアできるように録画を使って組みあわせる、そんなゲームな気がした。特にラベル付けしてなかったプラットフォーマーの知識が整理されて、ゲームに対する解像度が一段階高くなったような気分にさせてくれた。

徐々に再生パネルや風など、単純にマップをコピーアンドペーストするだけではない、このゲーム独自のギミックが現われる。再生した動きの予測が困難になるため、正解の動きを見つけるには「とりあえず動いてみる」必要が出てくる。その場合もマップを歩くことがそのままヒントになるので、「自分が全然これまでに思いつきもしなかった動きが答えなんじゃないか」と不安になることはほぼなかった。

マップの端でも歩ける場所はすべて問題に関係しているじゃないかと思ってしまうことはあったが、最後まで楽しくやれて良かった。実は裏面とかがあったりするかもしれないけど。


motionrec_chapter_6

最初にこのゲームやばいかも?と思ったのはチャプター6のこの♪のパズルだった。始点と終点がマップ上の別の部分に足場として存在する、比較的単純な軌道合わせに比べると、始点まで移動したうえで同じ軌道を戻る必要がある。こういう、ちょっと変なことも考えなくちゃいけないゲームなんだとここで目が覚めた。

motionrec_chapter_16

さらに、ヤバそうな雰囲気があったのはチャプター16のこの♪のパズル。軌道を二重で記録するのに加えて、もう一つ応用的な仕様が必要になる。軌道の一部を壁などでつぶしてもそのまま再生され、緑の点線で示された予測軌道と異なって進むのは、デモの時点でヤバそうだと思ったけど、このレベルのヤバさで収まっていたのは個人的にはよかった。

motionrec_chapter_18

地味に好きだったのは、チャプター18のキノコでジャンプした挙動を使って鍵を取りに行くところ。移動した軌跡をかっちり組み合わせるパズルが多いし、これもそうではあるんだけど、他と比べると軌跡が曖昧でブレがある分、ちょっとずるしているみたいで面白かった。

motionrec_chapter_20

割とかっちり目の軌道合わせパズルでいうと、チャプター20の天井裏の鍵を取りに行くパズルも変に詰まってしまったのもあって印象に残っている。2画面を跨いで軌道を記録するのはここが初めてではないけど、どうしても画面が変わると距離感が分からなくなってマップを歩いていても一目では閃かない。それでも天井の形状となんとなく似ている部分から推測できるのが面白かった。

motionrec_chapter_7

チャプター7のこのパズルは先が完全に見えないので辛かった。これってどういう経緯で答えを閃くことを想定しているんだろうか。「⊂」の形で手前の隙間までたどり着くので、そこから同じ軌道でとりあえず再生してみる、ということかもしれない。全体的にこういうパズルは珍しかったので逆に印象に残っている。

デモ版のときは可能だった空中での2回目以降の連続再生ができなくなり、ちゃんと答えの軌道を探すゲームになっていてうれしかった。