Only Sliding
スパルタンスライドパズル 📒難易度:しっかりしてる

Only Sliding on Steam
A puzzle game with one mechanic (sliding).

本当になにも特別なギミックとかはなく、スライドパズル(もしくは氷の床パズルと呼ばれるもの)をやっていく。
この手のパズルはRPGなど他ジャンルのゲームに脈絡なく導入されては反感を買っていることで有名だし、「さすがにウンザリするのでは?」と思ったけど案外、というか最後まで楽しくやれた。
スライドパズルはマップに障害物が少ないほど進める場所が限られて、選択肢が絞られて考えやすくなる[1]。このゲームのパズルがどれも歯ごたえがありつつも無情な難易度に感じにくいのは、必要最小限のブロックしか配置されていないためだろう。
もう一つの(というか、最も重要な)特徴として、オーバーワールド上にシームレスにパズルが配置されていて、ゲーム中はすべてスライドで移動する点が挙げられる。
これにより否が応でもスライド移動に体が慣らされて、スライドパズルの移動の法則性に気づく機会が増える。アンドゥできない仕様も賛否両論はあるだろうけど、動かす前に2、3手先までプレイヤーに予測させることで、いちいち動かして確認せずとも頭の中で自然と処理できるようにさせようという意図は感じる。
救済措置などもなく、体得できなければ生き残れない状況に陥れるというスパルタ的な方針ではあるが、スライドパズルを習得していく過程を体験できるように意図されて設計されたゲームだと思った。実際、「THE END」まで到達する間に、スライドパズルというよくある仕組みだけどこれまで真剣に向き合ったことはなかったパズルに、ほんのちょっとだけ習熟を実感した。
また、ゲーム全般を通じてスライドというちょっと変わった操作性に慣れていき、それが解法の習熟にはつながるのは、ソーセージ系のパズルと共通点に見えた。
- 脳のどこかの部分が「もうこの盤面ならあと数手で答えになるはず」と言ってきかないんだけど、具体的にどう動かしていいかはわからないみたいな時が結構あった。単純に解答の形とブロックが近づいているので反応してるだけかもしれないけど。
- モニターの角度によってはほぼ黒にしか見えない背景の中から、黒いアヒル柄のシルエットを探すのは無理でしょ。ていうかなんで自分のモニター、明るさ調整の機能ついてないの? よく見たら電源ボタンすらないんだけど、なにこれ?
- アヒル面(裏面)のパズル、あんなに一生懸命隠してるなら理不尽なくらい難しいのかと思ったけど割とそうでもないというか普通に楽しかった。なんでこんな見つけにくくしたんだ。